春といえば。上から下までピカピカでブカブカの新一年生が登校する光景に、世間様は新年度なんやなあと感慨深い今日この頃。
新年度といえば。酒造の年度は七月始まりですが、多くの酒蔵では三月から四月にかけて「甑倒し」や「皆造」という声が聞こえてきて、年度の変わり目よりもシーズンの終わりを強く感じます。「甑倒し」は米の蒸し器を倒すこと。昨今の酒蔵で実際に甑を倒すことはほとんどないでしょうが、「甑を倒す=蒸し終わり=仕込終わり」ということのようです。「皆造」は「甑倒し」のだいたい一カ月後、仕込んだ全て醪の搾りが完了することで、どちらも私たちには大きな区切りです。
「甑倒し・皆造」といえば。毎年三月の終わりに大阪国税局管内と奈良県下の「新酒研究会」公開利酒会がそれぞれ行われまして、そこで同業他蔵の方と久々に顔を合わせます。お互い「皆造いつごろ?」とか「うちは昨日甑倒しで〜」と挨拶代わりの会話があるんですね。三月末頃は「甑は倒した」というお蔵も多くて、大吟醸で神経を磨り減らす日々はもうすぐ終わるし、気候も穏やかになって桜もそろそろ咲くし、皆さんなんとなく明るい表情。当然「梅乃宿さんは?」と尋ねられますが、「まだ先です……」と言うと心底気の毒そうな顔をされてしまいます。いえどうぞお気遣いなく。弊社の予定は甑倒しが4/26、皆造はえーっと……完全に葉桜になっている頃、かな。
桜といえば。「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」と詠んだのは千年以上前の歌人ですが、つぼみが膨らんできただけで日本中の人がソワソワするのは確かにこの花くらいでしょう。ということで、杜氏撮影「蔵のご近所の桜」。お花見で夜桜の宴会もいいですが、雲ひとつない青空の下、桜並木を散歩するのもまた楽し、です。
お花見といえば。お弁当・おつまみ・コップ・レジャーシート以外に、小さめのやかん・カセットコンロ・酒燗用温度計・『梅乃宿 本醸造』1800ml(定価\1,701)をセットで持参するのが杜氏流という噂。本醸造をやかんに半分くらい、強火で55度(温度計がなければ約二分、火からおろして掌でやかんの底をポンポン→ギリギリ触れるくらい)までかけると、身も心も温まるおいしいお燗酒のできあがり。あ、沸騰させるのは条理に反する行いといっても過言ではありません。「お燗番」重要任務です。
「花冷え」なんて言葉は風流ですが、夜桜見物でお風邪など召されませんように「花見で燗酒」オススメです。ただし「お酒は楽しく適量を」「飲酒運転ダメ!ゼッタイ」。これから桜前線を迎える地域の方、どうぞ楽しいお花見を。
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