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梅乃宿のパイオニアたち

酒を造るということは、日本の文化を継承するということ。 酒文化の伝道する梅乃宿のポリシーをご紹介します。

SEASON 04

梅乃宿ストーリー

第3回 【あらごしれもん編】人気シリーズに新たな“顔”を

梅乃宿の「あらごしシリーズ」は、果実を贅沢にブレンドした日本酒ベースの果実酒です。「あらごし梅酒」からスタートし、人気を博してきたこのシリーズに、2017シーズンに仲間入りを果たしたのが「あらごしれもん」です。今回は、発売と同時に大人気となり、2シーズン目も大好評の「あらごしれもん」誕生の舞台裏を、開発担当者に聞きました。

 

商品管理部 業務・資材係:石塚 好(発売当時:商品開発部)

 

———「あらごしれもん」の開発は、どんな形で始まったんですか。

あらごしシリーズは梅乃宿の人気のブランドですから、新しいラインナップを加えたいという意識は常に念頭に置いていました。梅、ゆず、もも、みかん、りんごに続くものとしてぶどうを検討したこともありましたが、商品化までには至らず断念。国産の果肉・果汁を一定量確保できる果物を探していたところに、原材料商社さんを介して質の良いレモンミンチとの出会いがあったんです。レモン果汁とお酒を加えてすぐにサンプルを作ってみたところ、歯ごたえがあり、グラスを振った時の果肉の浮き具合も良く、火入れ(加熱殺菌)しても果肉の風味が落ちないと分かり、即座に「これはいける」と手応えを感じました。

———それまでのあらごしシリーズにはなかった「お湯割り」の発想。どこから出てきたのでしょう。

寒い冬の日に食事に行って、ビールなどだとグラスを持つ手からも寒さが伝わってきますよね。熱燗を飲める私はいいけれど、飲めない人であっても、手に持っても温かく、飲んでもほっとできるものがあるといいなと考えていました。それに仕事柄、研究室は寒めなので「お湯割りでおいしいものを開発できたら」とも思っていました。
「自分だったらこういうのが飲みたい」という思い入れを反映したわけですが、お湯割りの発想が受け入れられるかは半信半疑でした。他の開発メンバーにサンプルの利き酒をお願いして「面白いんじゃない」と言ってもらえた時は、正直ほっとして自信にもなりました。

———そこまではスムーズにいったものの、商品化までには壁があったそうですね。

第1回(発売までの舞台裏)・第2回(国産レモンへのこだわり)でも話題になりましたが、当時は飲料やスイーツに国産レモンを使った商品が大ブーム。国産のレモン果汁と、浸漬酒(しんせきしゅ)を作るためのピール(皮)を新規に確保するのがひと苦労でした。何とかレモンの皮が見つかっても、浸漬酒にするとおいしくなかったり、コストが見合わなかったりといった具合。果汁問屋さんに問合せたりレモン農家さんを探したりなど思いつく限りに連絡する日々が2カ月ほど続きました。一時は「もう無理。レモンはあきらめて別の果実に」という思いが頭をよぎったほどです。

———そうやって、ようやく仕入れ先にめどが立ったわけですね。

ただ、ようやくめどが立った時も、取り引きをするなら約2週間以内に必要量を決めて発注する必要がありました。発注となれば会社の合意と了承が必要ですが、「あらごしれもん」の開発は、まだ部のメンバーだけで検討していた段階。商品化ができるかできないか、残された時間はわずか2週間でした。それからはまさに怒濤(どとう)の勢いで、上司の協力も得ながら説明や会議が進み、何とか社内の了承を取り付けてレモン果汁と皮を発注・確保することができました。

———開発の仕事は、新しいお酒を作ることだけではなく幅広いんですね。

そうですね、原材料の新規調達先探しも仕事の1つです。実はそれまで私が担当していた開発では、問屋さんから原材料の売り込みがあったり、問屋さんに問い合わせて調達先を提案してもらったりする場合がほとんど。電話をかけて現地に足を運ぶなど、自ら動いて調達先を探すのは初めての体験で、仕事の幅が広がったのを実感できました。

また新しいお酒づくりという点では、「あらごしれもん」のように開発メンバーが自分の発想で新しい商品を提案する場合もありますが、酒販店や市場で得た情報をもとに「こういう商品を」と営業から求められて開発する場合が多いんです。今回は前者のやり方で進んだので、ラベルなどの外装も検討し、お湯割りという新しい飲み方が分かりやすいように「ホットでもおいしい」とシールを貼ってはどうかなどの提案も開発側からしていきました。
余談ですが、当社にはみんなが仕事をカバーし合う気風があり自分の仕事の前後の工程も見えて分かりやすいんです。自分の仕事が商品にどうつながっているか、実感しやすいのは確かですね。

———販売されると大好評でしたね。感想は。

それまでのあらごしシリーズとは違う、お湯割りという飲み方や期間限定商品であることなどから、お客さまや酒販店さんに受け入れられるか不安要素もありドキドキでした。でも、ふたを開けたら即完売になり、心の中でよかった、やったと叫びました。2年目となった今シーズンも好評と聞いていて、商品が定着してきているんだと思うとうれしいですね。
実は、初めて発売された昨シーズンは妊娠中で、「出産後に飲もう」と買い置きを考えていたんですがあっという間に完売して買いそびれてしまって。2シーズン目も何だかんだで手に入れられてなく、まだ飲めていないんです。生みの親として、来シーズンこそ必ず飲むぞ!と思っています。